岐阜県経営者協会

会長挨拶

ご挨拶令和7年1月6日


会長  山口 嘉彦
(株)エスライングループ本社
代表取締役社長

 昨年は元日に発生した能登半島地震、猛暑が長く続いた異常気象、政治の世界では衆議院選挙での野党の躍進、諸外国での政治の混乱やアメリカ大統領選ではトランプ氏の復活当選と国内外で波乱の一年でした。国内各地での知事・市長選挙などではSNSを活用した選挙戦略でいままでとは違った結果を生みだしています。

 近年のあらゆるものの価格の上昇により、企業として安定した経営を行うためには利益を確保する必要があり、価格転嫁を進めてまいりました。しかし多くの企業では価格転嫁が進まず、原資がない中でも社員の待遇改善のため賃上げせざるおえない企業もある。多くの企業の相互の理解が進み、賃上げと価格転嫁が進むことが重要です。

 当協会は、創立以来、企業経営における「人」の問題を不易のテーマとして活動してきました。今年もこの考え方に変わりはありませんが、SDGsやDXに加えて、構造的な賃金の引上げと分厚い中間層の形成など、社会的課題についても取り組みたいと思います。

 「人」の問題については、人材の採用・育成・定着は重要な経営課題の一つであります。多様な人材の労働力参加による「量」の確保と、働き手の能力開発・スキルアップを通じた活躍推進による「質」の向上の両面からのアプローチが重要と考え、次の三項目を重点取組事項として活動してまいります。



1.社会経済変化への取組

  • サスティナブルな資本主義に向けた好循環を実現するため、SDGs、DX、GXへの取組み、価格転嫁の促進などの社会的課題に関する啓発活動を他団体との連携を模索し推進する。
  • 行政等と連携し、中小企業の生産性向上と新しい価値を生み出すための変革を支援し、地域経済の活性化に取り組む。

2.人材活用への取組

  • 多様な人材の活用と業務の効率化を推進し、自社にとって最適な雇用システムの確立を支援する。
  • 付加価値の最大化を目指す働き方改革を追求し、従業員のニーズに合わせた柔軟な働き方の実現。仕事と育児、仕事と介護の両立を推進し、従業員のエンゲージメント向上につながる職場環境整備と生産性向上を支援する。

3.人材採用・育成への取組

  • 就職活動の早期化に対応するため、インターンシップから採用まで有機的に連携した新卒採用を支援する。
  • 地元に定着して活躍し続ける人材の確保と、県外からの新たな人の流れを創出するため、行政等と連携し企業の多様な人材の採用を支援する。
  • 岐阜県に定着して活躍する人材の育成を目的とし、各種研修会や個別の企業ニーズに応じて登録講師を派遣する社内研修会などにより、企業の人材育成を支援する。