ご挨拶令和6年1月11日
会長 山口 嘉彦
(株)エスライングループ本社
代表取締役社長
一昨年2月にロシアによるウクライナ侵攻がはじまり、まもなく2年を迎えます。多くの市民が犠牲となり、今も終わることなく戦争が続いています。このロシアによるウクライナ侵攻により、日本経済は大きな影響を受けています。エネルギーや食糧問題などが引き金となり、あらゆるものの価格が上昇し、急激な円安の進行もあり、消費者には厳しい一年になったかと思います。また、昨年10月にはイスラエルとハマスの衝突がはじまり、今後の影響が懸念されます。
一方で近年、野球、サッカー、バスケットボールなどスポーツ界において、若い選手が世界の舞台ですばらしい活躍をする姿が増えています。目標に向かって自分を信じ強い信念を持って戦う姿は、私たちに大きな感動を与えてくれます。スポーツ界全体に明るさと活気が感じられます。私たち産業界においても、目標に向かって皆が総力を結集し、この難局を乗り越えていかなければなりません。とくに次代を担う若い人材の育成、多様な人材が活躍できる環境の整備を推進し、SDGsやDXなどの社会的課題への取り組み、生産性向上への取り組みを進めていかなければならないと思います。
当協会は、創立以来、企業経営における「人」の問題を不易のテーマとして活動してきました。今年もこの考え方に変わりはありませんが、SDGsやDXに加えて価格転嫁の促進など、社会的課題についても取り組みたいと思います。
「人」の問題については、人材の確保・育成・定着は重要な経営課題の一つであります。多様な人材一人ひとりが持てる能力を最大限に発揮して活躍することが、企業成長の原動力です。生産性向上とイノベーション創出を促進するため、
次の三項目を重点取組事項として活動してまいります。
1.社会経済変化への取組
- サスティナブルな資本主義に向けた好循環を実現するため、SDGs、DX、GXへの取組み、価格転嫁の促進などの社会的課題に関する啓発活動を推進する。
- 行政や関係機関等と連携し、中小企業の生産性向上と新しい価値を生み出すための変革を支援し、地域経済の活性化に取り組む。
2.働き方改革への取組
- 女性、高齢者、障がい者、外国人、有期雇用労働者など多様な人材の活用、フレックスタイムやテレワークなど柔軟な働き方の拡充、業務の効率化・自動化の推進により、自社にとって最適な雇用システムの確立を支援する。
- 男女がともに、仕事と育児、仕事と介護などを両立できる職場環境の整備を支援する。
3.多様な人材の雇用・育成への取組
- 若者の就労意欲の形成、次代を担う人材の育成、県内産業の活性化を図ることを目的として、インターンシップの普及促進に取り組む。
- 人手不足が深刻化する中、地元に定着して活躍し続ける人材の確保・育成と、県外からの新たな人の流れを創出するため、企業の多様な人材の採用活動を支援する。
- 階層別教育や専門スキルの向上を目的とした研修会の開催、個別の企業ニーズに応じた登録講師の派遣により、企業の人材育成を支援する。